同じ靴を履いてる

生活について

イライラ棒と焼肉屋とエール

YouTubeトップページに表示されている動画のサムネイルとサムネイルの隙間をイライラ棒の要領で、カーソルがぶつからないように動かす、そんな意味無しの時間が流れている。ナイツのちゃきちゃき大放送では出水アナが熱中症になる危険性があるため室内では必ずクーラーをつけるようにしてくださいと警告を述べている。クーラーの無い部屋で首筋や腕に玉の汗をかきながら、イライラ棒している9連休の8日目。あせもが肘の内側と首にできている。ザラザラした赤い発疹を触れる。こんなふうにかぶれたのはいつから振りだろうか。特に懐かしさも感傷もない。14時、15時、16時、ただ時間が過ぎていく。

以前働いていた会社の先輩から久しぶりの誘いが入る。なんとなく、助かったと思う。身支度をして自転車で5km。夕方とはいえ途轍もない暑さで、吸い込む空気が自分の吐息よりも熱く感じられる。途中、コンビニに2回寄り、アイスボックスを2つも買って食べた。通常30分もかからない道のりが、今日は40分以上を要した。

お久しぶりです、と言って軽く頭を下げる。焼肉屋。カルビと、カルビ的なのと、カルビではない肉をオーダーし、それからビール、先輩は酒を飲まないので冷えた緑茶、先に飲み物が運ばれてきて乾杯。

先輩は今年38歳になる。コロナウイルスが猛威を振るう前は、いろいろと婚活だったり、恋愛活動をしていたようだが、このご時世で現在はなかなか活動ができていないらしい。仕事の愚痴だったり、マッチングアプリの話だったりを、肉を焼きながら聞いている。どうでもいい内容だが、イライラ棒をしているよりは随分マシである。でも本当は、イライラ棒だって無駄ではない。たぶん人生って、そうだから。これはマジな話。

9時半ごろ、早めの解散。帰りの5kmは30分もかからなかったが、それでも汗はびっしょりかいていた。風呂に入り、寝るのにはもったいないので水を飲みながら動画を見たりしている。そうやって23時過ぎ、滅多に連絡が来ない方からラインの通知があり、聞くと予てからの夢が叶ったという報告だった。正確にいえば、夢を叶えるスタート地点に立つことができたという報告。心から素直に感心し、純粋なエールが心に在った。俺はどうすんの。何か明確な目標を作ることができればいいな。