同じ靴を履いてる

生活について

燕と居酒屋と図書館

ご覧あれが希望の光よと電車に揺られながらトンネルに設置されたライトの伸びるのを見る。存在しない我が子に名を名付けるシミュレーションをしてるのを結婚願望として置いてみて、明日の我が身の振り方すら儘ならない有様なのじゃよ。窓の指紋。床に落ちた毛髪。なめらかな腕。スーパーの地下駐車場の入り口に燕が巣を作っていて、親鳥が戻ってくると雛が口ぱくぱくさせていたのをわたし目撃したのです。それが全幅の信頼であり、そこに純粋な希望を見たりして頭、天使になった状態でネギを一本。

居酒屋が閉まっている影響で、居酒屋で話すレベルの話が一丁前な記事としてインターネットに放流され、居酒屋が閉まっているものだから、それについての議論が白熱している。はやく酒を提供お店を開けてちょうだいよ。馬鹿者どもをそこに閉じ込めておけるように。俺もそうだから。言いたくないよあたしゃこんなこと。じゃあ言わなきゃいいじゃんってブチギレる聡明な民の声がこだまして、ヘラヘラしながら納得し、ひえ〜〜〜なんつって酒を飲んでギター弾いて、小声で歌を、歌ったりして。見直している初期のちびまる子ちゃん、夏休みに早起きしてラジオ体操に行きたくないあまり、完徹してラジオ体操に行くという愚行を繰り返し最終的にあちゃちゃ、という話があるのだけど、夜更かしを楽しむことの選択肢の中に「一晩中踊る」ことがあって感動しちゃう。歌と踊りで夜を明かす。そういうシンプルな娯楽を知る。ギターと小声で酒を飲み、こんなもんかねって眠る。燕の雛が口をぱくぱくさせている。

今の家に越してきてから暫く経つが、ようやく図書カードを作った。生活に何が足りないのだろうと色々と彷徨っていたが、図書館が足りていなかった。徒歩10分に宝箱があったんだから灯台下暗しだねぇ。利用登録の案内書に「ようこそ知の宝庫へ」って書いてあったけど、本当にそう思う。久々に入った図書館は信じられないくらい良い匂いがしたし、これら蔵書がすべてタダで読むことができるという事実にただただ驚嘆させられてしまう。住民税ってのは払っとくもんだねえ。

見たい映画やアニメもたくさんあるし、聴きたい音楽やラジオもたくさんあるし、読みたい本もたくさんあるし、乳だって揉みたいし、褒められたいし、褒めたいし、優しくしたいし、ハイタッチしたいし、100点をとりたいし、笑いすぎて泣きたい。行き着く果てが1Kの小部屋でも、幸せは渦巻いて飛天御剣流。ヘイあんた、一週間は始まったばかりだよ。