同じ靴を履いてる

生活について

不気味の谷とおジャ魔女どれみと食器

髪を切りに行こうと自転車に乗って方南通りを西に下り、大宮八幡宮の交差点を左折し永福町に向かう途中、酒屋に少し毛の生えたコンビニの黎明期のような小さなマーケットの入り口のあたりに座っている人が在る。オレンジ色の髪はボサボサに乱れ、真っ赤なセットアップの服をきている時点で気づけばよかったのだけど、なんとなくそちらの方を見ると目があってしまった。今まで出会った人間の中で、一番恐ろしい目をしていた。大きく見開かれた瞳は完全に俺を捉えて動かない。酔っ払いが大通りでタクシーを止めるように大袈裟にこちらに向かって2、3回手を降ってくる。喜怒哀楽のどれとも取れる表情でこちらを真っ直ぐ見てくる。たぶん女性らしかった。恐怖のあまりに却って視線を外せず、じっと目があったままようやくやり過ごすと、とても髪を切りに行けるメンタルではなくなってしまい、踵を返して家に帰った。おそらく小学生の時以来、ただ怖いものを見たという理由で涙ぐんでしまった。あれは人だったのか。人の形をした何か異形の者だったのではないか。不気味の谷、というワードが頭に浮かび、あるいはそうかもしれないと思った。

そんな人を見てしまったので、という理由でもないのだが、しばらくここも更新できずにいた。コントレイルが無敗の三冠馬となり、アーモンドアイが史上初のG1レース8勝を挙げ、伊藤健太郎がひき逃げで逮捕され、大阪都構造が一頓挫し、欧州圏各国で再びロックダウンが開始され、鬼滅の刃は早々に100億円以上を稼ぎ出しており勢いが止まらない。俺はと言えばやっぱり秋はきのこが美味いなあなんて連日きのこを炒めたり煮たりしている。

おジャ魔女どれみのリブートが公開されるのをきっかけに、Amazonprimeで当時以来、1話から見直している。はちゃめちゃに面白い。現在18話ほど。数多褒める箇所はあるのだけど先ず、音楽がいい。有名すぎるオープニング曲はもちろん、挿入歌、変身シーンの曲(キャラクターごとの微妙なアレンジの違いがサイコーに痺れる!!!!)、それからエンディング曲。オープニング曲はiTunesにも入っていて、大人になってからも結構聞いてはいるのだけど、エンディング曲はまるっきり当時以来で、イントロが流れ、エンディングのアニメーションが始まった瞬間、結構大きめな声で「うわ〜!」と叫んでしまった。そうだ、この曲だ。この曲で、このアニメーションだ。屈伸をして、キッチンと居室を何往復かして、少し泣いた。シリーズ累計で200話以上あるのでまだまだ楽しめるものの、1期自体はもう1/3程度見てしまっていることを考えると少し寂しい。映画の方は、ちょっとどうだろうか。映画を楽しむという意味では、却って再鑑賞しない方がフラットに観に行けたかもしれない。当時のどれみ達と同級生だった世代としては。

文化の日。週中の祝日。洗濯物を干し、渋谷行きのバスを代々木八幡で下車し、渋谷までは歩いて行く。まんだらけを少し冷やかしたのち、いい感じの食器が買いたい、というかチェックしたかったので、ヒカリエやスクランブルスクエア等の商業施設を色々と観て回る。いい感じの食器がいい感じの値段で売っているのを確認し、もう少し経済状況がいい感じになったらいい感じの食器を買って食卓をいい感じにしようと思う。帰りは電車で永福町、から徒歩で。スーパーでやっぱりきのこを買ってしまう。

本日は大井競馬場JBCデー。やるやらないはともかくとして、夕方はその中継を見ようと思う。その前に、まだ休日を終わらせるにはもったいない時間なので、自転車に乗って少し遠乗り、砧公園にでも行こうと思う。