同じ靴を履いてる

生活について

プロキオンSと不動産屋とマインドゲーム

いやプロキオンSはスマートダンディー軸で鉄板でしょと◎を付けたタイミングで同僚の同い年の女性から産休に入る旨を知らせるラインを受け取り、この差は一体全体、なんつって自転車で映画館へ馳せる金曜日の夜、昼間の雨の影響か湿気が我慢ならず、汗をべっとりかきながらようやく到着した9番シアターで『WAVES』、ああ人によってはバイブルになる手の映画だなあなんて思いながら乗り切れない俺の隣に座っている若造、敢えて若造というが、場内に入るなりスト2のバルログが勝利のポーズの際に仮面を外すような勢いでマスクを剥ぎ取り大袈裟に大音を立てながら椅子にどかっと座るのを見て悲しい気持ちになってしまった。気が、立っていたのだろうが、その苛立ちを周囲に音や態度として撒き散らすのは公害に他ならない、のだが自分でも身に覚えがある行為であるため、ぐぬぬ、やっぱりなるべく、なるべく人当たり良く、つか迷惑を掛けず、どうせ掛けるなら親切とか愛情とか、最低限ありがた迷惑、老婆心、そうやって生きていければ良いよな。他者にとったドイヒーな態度はやはり、返ってくるものだからな。『WAVES』、乗り切れないなんて言ったけど終盤は結構持っていかれちゃったな。ヒロイン役のテイラー・ラッセルって女優がすごかった。でも終始うるさかったな。画面も、音響も。映画館で音響がうるさいってのもおかしな話なんだけど、実際見てもらえれば言っている意味わかると思うよ。

帰宅して意味もなく夜更かししてしまい、夜更かししてしまっても早く起きてしまうのが土曜で、そうかと言ってすることもないのでNetflixで湯浅監督の日本沈没2020を見たり。やっぱり月880円でオリジナルの新作が見られるのはありがたいな。最近だとドラマ版の呪怨とかも含め。で、日本沈没。すこし中弛みした感じはあったけど、3話くらいまでの突き放したかのような淡々とした語り口と、最終話の物語の収斂のさせ方で、やっぱ持ってかれちゃったな。持ってかれてばっかりじゃない俺は。実際、持ってかれてばっかりなんだよ俺は。物語って、持っていったり突き放したりの塩梅だな。グイグイ引っ張られて行って、いいところでタンッと突き放されるのもまた快感で、いやしかしそれは物語だけじゃないな。全部。全部そうなんですよ。映画も、音楽も、詩も、絵も、小説も、恋愛も、なんでもかんでも。なんでもかんでもですよ。まったく何も考えないで書く文章は、こうなる。こうなっちゃいけないよな。どうなっちゃったらいいのでしょうか。

なんかソワソワするな。明日不動産屋に行くからだろうか。問い合わせていた物件はすでに募集を終了していると親切に教えていただき、まあせっかくだから店来ませんかの誘導にハイいいっすよの二つ返事で土曜10時で申し入れたのだが予約でいっぱいらしく、日曜10時を勝手に指定されまあ仕方ないかと納得したものの日曜10時ってオイ日曜天国じゃないのふざけるんじゃないよ、今の俺は日曜天国に一週間生かされているような状態なのですよわかっているんですか、そんなのわかるワケないじゃないですか吉野さん、剰えコロナ感染者数もうなぎ上りの昨今、恵比寿、日曜10時に恵比寿ですよ、いやだよなあ、でも引っ越しはしたいし。まあ、行くんだろうな。やっぱり。行って、行った帰りにタイムフリーで日曜天国を聴いて帰る。それはそれで、いい日曜日なんじゃないでしょうか。プロキオンSの本命もスマートダンディーで決まっているし、そんなに悪くないんじゃないの。そんなに悪くないよ吉野さん。そうまだ土曜16時。なんだかこのあと、誰かに誘われそうな気がするんだよな。それに乗っかって行ってもいいし、それを蹴って映画館に行ったりしてもいい。休日のマインドゲームはいつだって夕方からよ。