同じ靴を履いてる

生活について

皐月賞と中山グランドジャンプ

本日4月19日。皐月賞。3歳牡馬クラシック3冠レースの緒戦であると同時に、日本ダービーの最重要ステップ。下馬評ではそれぞれ別のステップから無敗で本レースに臨んできた2歳G1勝ち馬のコントレイルとサリオスに加え、セレクトセールで2億円弱で落札され前哨戦で高いパフォーマンスを見せた良血馬サトノフラッグの3強ムード。オッズもこの3頭だけが10倍を切っており、4番人気以下は団子といった感じ。経験からこのようなオッズになった際は3頭での決着になることはほとんどないため、1〜2頭は飛ぶだろうと見立て、6番人気のダーリントンホールから3連複で流す。結果は無敗馬2頭の叩きあいとなり、半馬身差でコントレイルが1着。2着にサリオス。3着は3馬身半と離されて8番人気のガロアクリークが入線。3強の一角サトノフラッグは5着、本命のダーリントンホールはスタートのタイミングが合わず後ろからとなってしまい、最後は脚を伸ばしたものの6着という結果。仕方ない。それにしても今年のクラシック戦線は面白い。それにしても今年のクラシック戦線は面白いって、毎年言っているかもしれない。

先ずは1冠目、コントレイル。皐月賞が終わってからダービーまでの時間がたまらない。今年のダービー馬は果たして。

 

1日遡り 4月18日。土曜日。メインは中山グランドジャンプ。障害競走のG1は春冬2回組まれている。競馬に長い歴史を持つイギリスではグランドナショナルという障害競争が年1回開催されており、同国では最も馬券の売り上げが伸びるという人気ぶりだが、日本の障害競走はどちらかと言えば地味である。有馬記念日本ダービーくらいならエッグの読モでも知っているだろうし、ディープインパクトキタサンブラックくらいなら新潟のキャバ嬢でも聞いたことがあるだろう。中山大障害中山グランドジャンプはどうか。ゴーカイやカラジはどうか。どうしても平地競争と比べてメディアの煽り方含め、日の目をみない印象がある。

オジュウチョウサンという馬がいる。久しぶりに障害競争界に現れたスターホースで、これは障害競走馬としては異例のことなのだが、ぬいぐるみ等のグッズ展開までしているほど人気がある。なぜか。強いから。マジで、もうメチャクチャに強いから。2016年、ちょうど今から4年前の中山グランドジャンプを勝利してから障害競走では負けなし重賞12連勝とヴィクトリーロードを大驀進中で、現状まったく負けるイメージができない。

今回の中山グランドジャンプについても前代未聞の4連覇を成し遂げていて、5連覇が懸かる今年、単勝1.1倍に支持され、極悪不良馬場も他馬からの強烈なマークもまるで寄せ付けず、まったく危なげなく5連覇。あまりにもあっさり勝つ。暴力的に強い。もう9歳になるが、まだまだ世代交代はできそうにない。

障害レースは平地競走よりも長距離を走る。中で中山グランドジャンプは4,250mと日本では最長距離のレースで、その道中で障害物の飛越や急坂の上り下りを繰り返すわけなので、道中、落馬事故が発生しやすい。ましてや今回のような大雨により馬場が悪くなればより負担も大きくなる上、飛越の際に馬が滑りやすくなる。オジュウチョウサンが圧倒的な強さで5連覇を達成している傍ら、3頭が競争中止となった。内2頭、メドウラークとセガールフォンテンはレース中に跛行が見られ、そのまま競争中止となった。もう1頭のシングンマイケルは、昨年オジュウチョウサンが出走しなかった暮れの中山大障害勝馬だったが、最終障害を飛越し終えた後バランスを崩して落馬、競争中止となった。飛越前に心臓発作を起こしていたとのことで、予後不良となってしまった。テレビの前でレースを見ていて、落馬の仕方がかなり危険であったので、小さく呻いたのち、本当に心から無事を祈ったがダメだった。

動物愛護団体等からは競馬に関して厳しい批判の声が上がることが多い。それに対してなんと言えばいいのだろうと考えてしまう。僕も馬がレース中に故障を発生させるところなんて見たく無いし、すべてのレースが無事に施行されればいいと思っている。しかし長く競馬をやっていれば、障害・平地問わず、必ず助からない馬が出てきてしまう。それでも競馬は続けて欲しいし、障害レースも無くなって欲しくはない。これは矛盾しているのだろうか。

忘れてはいけない。2020年の中山グランドジャンプ勝馬オジュウチョウサンで、同一レース5連覇の記録は今後も長く讃えられるべきだと思う。ただ一方で競争中止予後不良となってしまった馬がいたことを忘れずにいたい。不運にもなくなってしまった馬を思い出すことも、全馬無事に飛越を終えたときに拍手を送る行為も、本当は競走馬にとって何の意味もないことは理解している。それでもそのように納得していたい。障害レースはスリルがあってメチャクチャ楽しい。メドウラークとセガールフォンテンの無事と、シングンマイケルの死に祈りを捧げながら、個人的に生涯ベストとも言ってもいいほど大好きな、オジュウチョウサンアップトゥデイトとのマッチレースの様相を呈した2017年の中山大障害と、今年の中山グランドジャンプの動画を以下に。痺れます。それでは。

 


2017/12/23 第140回 中山大障害(J・GⅠ)《結果速報》

 


2020 中山グランドジャンプ