同じ靴を履いてる

生活について

体調不良と薬と日曜

身体が弱っているところにさらに無理をして体調が死ぬ。今週の月曜日に悪寒を感じ、それはそれとして酒を飲みに行ったのだが、そんなことをしていては駄目なのである。どの道数日間は熱でうなされるのだからと高を括るのではなく、悪寒を感じた段階で直ぐに医者に掛かり安静にし、一刻も早く回復のポーズを取るべきなのだ。しかし俺は飲みに行ってしまった。これは生き方の問題である。その結果がこう。

無理をして酒を飲みに行った翌日、熱っぽさはあったはもののとりあえず市販の風邪薬を飲んで会社に向かう。出社して仕事のスイッチを入れれば却って気が紛れ家で布団に籠り唸っているよりも、意外となんとかなったりするものであることを俺は経験から知っている。本日もそのようであれば良いと考えての出社であったが、始業から1時間ほど過ぎたあたりから震えが止まらなくなってくる。具合が悪そうに働くのは美しくない。そんな状態なら休めよと思うし、それともなんだ、こちらに優しい言葉でもかけてもらいたがっているのかと勘ぐってしまう。甘ったれんじゃねえタコ。さっさと家に帰って休め馬鹿。だからこのように震えを制御できない事が恥ずかしい。恥ずい。このように恥に塗れたまま仕事など出来ないので、事務所内にある体温計をレンタルし検温してみると40度を超えており、思わず笑ってしまった。半笑いで上司に報告し、本日は病院に行きそのまま帰る旨を伝える。

医者に掛かる。感染性の腸炎であるとのこと。小腸が機能しなくなっており栄養が摂取出来ていないとのこと。小腸から栄養が摂取出来ないと、身体は皮下脂肪を燃焼させケトン体なる物質を発生させ、それをエネルギーに変換するらしいのであるが、このケトン体の血中濃度が一定の数値を超過すると医学的に芳しくないらしく、私は4+とのことで入院を勧められたものの、金が勿体無いので拒否した。5以上であると即刻入院らしい。ギリギリである。俺はギリギリの状態で昨晩、渋谷にてルースーチャーハンにハイボール等の愚かを実行していたのである。それでも入院にならずに済んで良かったと点滴を受け帰途につく俺に午後の陽の光が容赦無く、温暖であるはずの気候もしかし冬服のコートの内で尚治らない身体の震えと強烈な関節痛が全盛期のノゲイラの寝技のように絡みついてきて、最寄駅から家までの徒歩10分弱が永遠に続くように錯覚するほど体内時計がスローになっている。高熱を出すと時間の感覚が狂う。早くなることはない。信じられないくらい体感速度が遅くなる。ベッドで眠り起きて、3時間程度経ったかと思い時計を見てもまだ40分しか経っていない。そんなようなことがよくある。なんとか家に着く。処方された薬を飲み眠る。それをあと1日。

翌朝はまだ具合が悪かったものの、昨日ほどではない。薬に感謝。医者からは3日間の断食と、2週間の流動食生活を宣告されている。断食については守ったが、体調がそれなりに戻っている今、流動食生活の方はすでに反故にしている。相変わらず腹の調子は優れないが、何とかなっている。

部屋が薄暗くなってきている。競馬に負けた日曜の夕方。そろそろ電気を付けたほうが良い。外にはまだ生活の音が溢れており、俺も本と財布を持って適当に外に出る。もう少し暖かくなってほしい。マスクなしで出られる程度に花粉の飛沫がおさまってほしい。これからもっといい季節になり、そして我々は令和へ。