同じ靴を履いてる

生活について

眼鏡と美少女キャラと三省堂書店

土曜のこと。山手線に乗って上野まで行く。先週作っていた眼鏡が仕上がったので取りに向かう。先週の自分と今週の自分は違う。何となく近場で作るよりは遠足気分を味わいたくて下町へ繰り出した先週は確かに気分がよかったが、それはもう過去の話で今週の俺は上野まで行くのが怠くて仕方がない。首を寝違えている。一日の疲れを取り除くはずの睡眠で身体を痛めている。阿保ちゃうんか。下町へ向かう。阿保、ちゃうんか。

眼鏡屋までふらふら歩く。首が痛すぎる。首が痛すぎるので首がなくなったらいいですよねそれってチョーウケません? 全然ウケませんか。そんな目をして歩いていたら正面からねずみ男のような男が明らかに俺を目指して歩いてくるのを確認、何なんですかの顔でそれを見守っていると「あなたもしかしてアレですか、アレ」と顔を覗き込みながら畳み掛けてくる。ふざけんなの無視。俺は来たくもない上野に来て首が痛すぎるんだから話しかけるなの表情。汲み取って頂けたのかそれ以上突っかかってくることはなかったが知らない人は知らないが故に基本的に怖いのでもう酒だよ酒。今日は土曜ここはアメ横。店外に設置されたテーブルには昼間から酒を飲むだらしのない大人がいて、俺だってだらしなくなりたいんだの飲酒。二、三人入っている名も知らぬ立ち飲み屋で。
その後何事もなく眼鏡を受け取り視界良好。感度抜群。帰りがてら池袋で下車。久々に来たがよく分からない美少女キャラのポスターが駅構内に横溢しており、何のキャラクターかわからない美少女キャラクターは純粋に可愛くて良いな何故ならば何のキャラクターかわからないが故に。おかげさまで美少女キャラの隅々までよく見える。雑味無しに。
西武デパートの中に入っている郵便局で用事を済ませ、旧リブロ、現三省堂書店を冷やかす。結局リブロでいやがるんだよ。経営が変わっただけで。店内の様相そのまんまリブロじゃんかよ、などと独りごちながら各フロアーを見て回った後、そういえば来週幼なじみの女の子と酒を飲んだり飲まれたりする約束をしていることを思い出し、幼なじみの女の子と久々に飲むのだから何か手土産があったらアレがああしてああなんじゃないかという目論みのもと、じゃあもうロフト。LOFTだよね。手土産と言ったら。しかしハロウィン清一色のハネ満聴牌の店内に決して振り込むまいという態度で手土産を選ぶどころではなく、大体にして手土産を持って行って何がどうなると言うのだ。幼なじみの最近別れた男が電通の社員らしい。ありがとうございます。ロフトで得ることの出来る手土産が切っ掛けにトリックオアトリートなんて馬鹿じゃねえのか。
電通の若い女性社員が自殺して労災認定がおりた。労働が厳しくて自殺ってどうなってるの。どうなっちゃってんだろう。休め。破竹の休暇を取得しろ。或は仕返しのつもりなのか。自らの生命を捧げた渾身の。いやしかし結局リブロなんだよ。三省堂書店に名を変えたリブロ。それが人間じゃないですか。我々は金閣寺じゃないんだから。頑張れ。つか、頑張ろう。そんな気持ちを抱えたまま豊島園に向かい観た映画、『永い言い訳』。良い映画だった。良い映画を完璧な視力で鑑賞した。何となくカープを応援してみようと思う。